チエピン系抗精神病薬はフェノチアジン系抗精神病薬同様、三環構造の基本骨格を有するチエピン系の化学構造式を持つ抗精神病薬である。チエピン系抗精神病薬に属する薬物はゾテピン(商品名ロドピン)である。ゾテピンは藤沢薬品 (現 アステラス製薬)が1971年ころに開発し、1982年から発売されている。
ゾテピンは脳内のドパミンD2受容体のほか、セロトニン5-HT2A、5-HT 6、5-HT 7受容体に対する遮断作用を持つ。その作用メカニズムの特徴から定型抗精神病薬とはみなされない。SDAに分類されることもあるが、独立して扱われることが多い。
強い鎮静作用と抗躁作用を持つ。保険適応は統合失調症である。適応外として躁状態、双極性障害に用いられる。