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フェノチアジン系抗精神病薬

抗精神病薬

フェノチアジン系抗精神病薬は定型抗精神病薬の一つである。フェノチアジン系抗精神病薬の特徴は比較的鎮静作用が強く、悪心・嘔吐に効果がある。1950~60年代に開発された。内服剤のほか注射剤もある。肝障害や抗α1、抗コリン作用がある。フェノチアジンの誘導体は抗精神病薬のほか、染料、殺虫剤、重合禁止剤、酸化防止剤などに用いられる。

クロルプロマジンは有用性が確認されたはじめての抗精神病薬である。フランスのローヌ・プーラン研究所(現サノフィ)で麻酔強化作用を有するフェノチアジン誘導体の探索を目的として合成研究が進められ、1950 年に Charpentier によってクロルプロマジンが合成された。 1951 年に Laborit らはクロルプロマジンが麻酔薬の作用を強化し、人工冬眠(artificial hibernation)をもたらすことを報告した。 更に、1953 年には Delay と Deniker はクロルプロマジンが精神病の多彩な症状に改善効果をもつことを報告した。 その後、世界初の抗精神病薬として臨床に応用された。本邦においては1955 年 に発売された。錠剤、散剤、筋注用注射剤がある。

抗ドパミン作用は、幻覚・妄想や概念の統合障害等の陽性症 状の改善及び悪心・嘔吐の改善に関連する。自発運動抑制作用を含めた抗ノルアドレナリン作用は、躁状態や緊張状態の改善に関連 する。 抗セロトニン作用は、思考の貧困化や感情鈍麻等の陰性症状の改善に関連する

クロルプロマジンが向精神薬として臨床に用いられるようになって以降、主としてフェノチアジンの2位の置換基と10 位の側鎖の構造変換の研究が進められた。

1956年 Cusic によりペルフェナジンが合成された。本邦では吉富製薬(現:田辺三菱製薬)がピーゼットシーの商標名で 1958年に販売を開始した。ペルフェナジンは統合失調症,術前・術後の悪心・嘔 吐,メニエル症候群(眩暈,耳鳴)に用いられる。錠剤、散剤、筋注用注射剤がある。

レボメプロマジンは1957 年ロー ヌ・プーラン社(現サノフィ)の Courvoisier らによって開発された。我が国では1959 年に承認された。レボメプロマジンは鎮静作用が強く、催眠効果もあり、少量で睡眠薬としても使用される。錠剤、散剤、筋注用注射剤がある。

フルフェナジンは1960 年に米国スクイブ医学研究所の Yale らによって合成されたフェノ チアジン系統合失調症治療剤である。フルフェナジンは持続性効果注射剤があり、4週間ごとに筋注する。

プロクロルペラジンは1957年フランスのローヌ・プーラン社(現サノフィ)によって合成され、臨床的に研究されて実用 に供されるようになった。 わが国では1957年にノバミン錠として発売を開始した。錠剤、筋注用注射剤がある。

プロペリシアジンはフランスで合成、開発されたピペリジン系のフェノチアジン誘導体である。ピペリ ジン系フェノチアジン誘導体は、ジメチルアミノプロピル系よりも鎮静催眠作用が、ピペラジン系よりも錐 体外路症状が弱い。1964 年 4 月、塩野義製薬が承認を受け、同年 8 月、我が国で最初に発売された。統合失調症の不安、緊張、抑うつ気分、幻覚、妄想、作為体験、精神運動興奮、自閉、自発性減 退等の各種症状に効果を示す。

クロルプロマジン(商品名 ウインタミン、コントミン)
ペルフェナジン(ピーゼットシー、トリラホン)
レボメプロマジン(ヒルナミン、レボトミン)
フルフェナジン(フルメジン、フルデカシン)
プロクロルペラジン(ノバミン)
プロペリシアジン(ニューレプチル)

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