持続性で、かつ通常波動性の気分障害である。個々のエピソードは軽躁病エピソードあるいは軽症うつ病エピソードと診断されるほど重症になることはまれである。
持続性気気分障害には気分循環症と気分変調症がある。
気分循環症は持続的な気分の不安定さであり、軽い抑うつや軽い高揚の期間が何回も認められる。この不安定さは、通常、成人期早期に始まり、慢性経過をとるが、ときには気分が正常となり、安定した状態が数カ月続くことがある。
気分循環症は双極性感情障害の患者の近親者によくみられるもので、気分循環症から双極性感情障害に発展するものもいる。
気分変調症の特徴は、個々のエピソードの重症度あるいは持続期間において、軽症・中等症の反復性うつ病性障害の診断基準を満たさない程度の慢性的抑うつ気分である。
患者はほとんどの期間、疲れと抑うつを感じる。何事も努力を要し、楽しいことは何もない。
通常は成人期早期に始まり、少なくとも数年間、時には終生続く。
気分循環症の治療は双極性感情障害、気分変調症のそれはうつ病に準ずる。