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イミノジベンジル系抗精神病薬

抗精神病薬

イミノジベンジル系抗精神病薬はイミプラミンの骨格であるイミノジベンジルを基本骨格とする抗精神病薬である。薬理学的に抗精神病薬の抗精神病作用(抗幻覚・妄想作用等)と関連が深いドパミンD2受容体遮断作用と抗精神病薬の感情・意欲鈍麻に対する効果との関係が注目されているセロトニン 5-HT2受容体遮断作用を併せ持っている。
つまり、イミノジベンジル系抗精神病薬はセロトニン・ドパミン遮断薬SDAと同じ薬理作用を持つのだが、一般にSDAには分類されていない。

イミノジベンジル系抗精神病薬にはいずれも吉富製薬(現:田辺三菱製薬)研究所が開発したクロカプラミンとモサプラミンが属する。

クロカプラミン塩酸塩水和物の基本骨格はそれまでのフェノチアジンやブチロフェノン系化合物とは異なり、イミプラミンの骨格であるイミノジベンジルを基本骨格とし、側鎖にはブチロフェノン系化合物の部分構造を有する。本邦では商品名クロフェクトンとして1974年に錠 25mg、顆粒 10%、1987年に錠 50mg がそれぞれ上市されている。
統合失調症の自発性の低下、抑うつ気分、自閉などの陰性症状に対して安定した作用を示 し、疎通性や接触性を改善する。また、高用量では幻覚や妄想などの陽性症状への効果を有している。弱いながらも鎮静作用を有している。主な副作用は、錐体外路症状、不眠、不安・興奮、焦燥感等である。

モサプラミン塩酸塩は吉富製薬(現:田辺三菱製薬)研究所における抗精神病薬の立体構造並びに脳内受容体に対する親和性の研究から見出されたイミノジベンジル系抗精神病薬である。吉富製薬が 1991 年 1 月に承認を取得し、商品名クレミンとして発売を開始した。
モサプラミン塩酸塩はドパミン D2受容体遮断作用とセロトニン 5-HT2受容体遮断作用を併せ持っている。
臨床的には統合失調症の幻覚・妄想などの陽性症状や自発性欠如・感情鈍麻などの陰性症状に効果を示す。

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