ヒポコンドリー性基調とは自分の心身の状態に病的なものがあるのではないかと不安に思う気分のことを言う。適応不安とは自己の現在の状態をもって環境に順応しえないと不安である。ヒポコンドリー性基調は森田正馬、適応不安は高良武久が創作した概念である。
そもそも不安というものは人間が生きている限り、必ず身についてくる。私たちがその中にある自然は私たちのために存在するものではない。だからコロナウイルスをはじめとする病原体も存在するし、地震や台風のような自然災害も絶えない。人間が作り出した社会も個人にとっては必ずしも都合がいいことばかりでない。複雑な人間関係や人間同士の競争、経済問題、公害、事故など私たちを不安にする材料は無限に私たちを取り巻いている。
こういう環境に生存する人間が不安を持たないわけにはいかないのは当然である。
また、不安という感情は、私たちがこの世の中を生き延びていくのに必要なものである。