飲酒量低減薬はアルコール依存症治療薬の一つでナルメフェンが分類される。
ナルメフェンは中枢神経系に広く存在するオピオイド受容体のうち、μオピオイド受容体及びδオピオイド受容体に対しては拮抗薬として、κオピオイド受容体に対しては部分的作動薬として作用することによって、飲酒量を低減させると考えられている。
アルコール依存症の治療目標は、原則、断酒の達成とその継続である。アルコール依存症に伴う精神・身体症状及び患者の意思を総合的に勘案し、断酒ではなく飲酒量低減を治療目標とすることが適切と判断された患者に対して本剤を投与する。
アルコール依存症の診断は、国際疾病分類等の適切な診断基準に基づき慎重に実施し、基準を満たす場合にのみ投与する。
習慣的に多量飲酒が認められる患者に使用する。その目安は、純アルコールとして1日平均男性60g超、女性40g超の飲酒量とする。
主な副作用は吐き気、めまい、頭痛である。一時的で軽症のことが多いが、副作用のために治療が継続できない方が1~2割いる。
ナルメフェンはデンマークのルンドベック社が開発し、欧州では2013年から販売されている。本邦ではセリンクロとして販売されている。
ナルメフェン(商品名 セリンクロ)