化学構造式にベンゾジアゼピン骨格を持つ薬物をベンゾジアゼピン系薬物という。ベンゾジアゼピン系薬物は脳内のベンゾジアゼピン受容体に作用して神経伝達物質のGABA(ギャバ)の働きを強めることによって作用する。
ベンゾジアゼピン受容体にはサブタイプがあり、中枢型のω1、ω2と末梢型のω3がある。この中でω1受容体は催眠と鎮静作用に関与している。一方、ω2受容体は抗不安と筋弛緩作用に関わっている。ベンゾジアゼピン系薬物はそれぞれのω受容体に対する作用の強弱から抗不安・鎮静・催眠・筋弛緩作用に違いがあり、その特性によって抗不安薬、睡眠薬として広く使われている。
作用時間の長さから超短時間型・短時間型・中間型・長時間型に分けられる。おもな副作用は眠気・筋弛緩・耐性・反跳性不眠である。高齢者に長時間型を用いると転倒・骨折の可能性がある。