かもめメンタルクリニック関内馬車道心療内科

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実をいうと、精神医学の診察の現場はヒポクラテスが活躍した古代ギリシャの時代のそれとさして変わらない。
現在の医学のレベルでは、糖尿病や心筋梗塞、胃がんのように血液検査、心電図、レントゲン、MRI、PET、腫瘍マーカーなど最新の検査を駆使しても精神疾患の診断には役立たない。
うつ病やパニック障害、発達障害といった精神疾患を診断する基準はもっぱら問診、つまり患者との対話である。

精神疾患の診断は従来診断と操作的診断に大別される。
従来診断では、精神疾患は病因によって「外因性」、「内因性」、「心因性」に区別 されていた。 内因とは遺伝的な原因であり、心因とは心理的原因であり、外因とは脳を含む身体の病変か中毒性物質が原因となっているものである。
本来、病因によって疾患を分類するのは正当な手法であるが、いかんせん、精神疾患は病因が不明なので、分類が曖昧になる。そうなると研究や医療に支障が出るという問題がある。
操作的診断とは臨床症状の有無によって機械的に分類する。ABCなどと症状を大別し、Aの3項目はすべて必須、Bの10項目のうち3項目以上、Cの5項目のうち2項目以上の条件を満たせば、疾患Xと診断する。病因については原則不問である。
たとえていえば、従来診断は精神療法に精通した熟練医師の匠の技によってなされ、操作的診断はマニュアルに沿えば誰(AI)でも診断できる。

現在、精神医学・医療の場で用いられる操作的診断基準はICD-10およびDSM-5である。
ICDとはInternational Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems(疾病及び関連保健問題の国際統計分類)を略したもので、「国際疾病分類」と和訳する。
ICDは異なる国や地域から異なる時点で集計された死亡や疾病のデータの体系的な記録、分析、解釈及び比較を行うため、世界保健機関憲章に基づき、世界保健機関(WHO)が作成した分類である。
現在は1990年に公表された第10版を使用しているのでICD-10と呼ばれる。
我が国ではICDに準拠した「疾病、傷害及び死因の統計分類」を採用している。 現在、国内で使用している分類は、ICD-10(2013年版)に準拠しており、統計法に基づく統計調査に使用されるほか、医学的分類として医療機関における診療録の管理等に活用されている。
具体的には、保険診療や行政の各種書類の病名はICD-10を使用している。
WHOが2019年にICD-11を公表したが、現在のところ本邦ではICD-10が使用されている。

DSMとは米国精神医学会が発行するDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders「精神疾患の診断・統計マニュアル」を略したものである。
2013年に第5版 DSM-5が発表され、2022年に改訂版 DSM-5TRが公表された。
現在、医学研究の中心は米国・英語なので、国際学会、英文医学雑誌の研究発表の場ではICDではなくDSMを用いることが一般である。

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