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バルプロ酸ナトリウム

気分安定薬

バルプロ酸ナトリウムは抗てんかん薬、気分安定薬、片頭痛発作の発症抑制薬である。

バルプロ酸は1882 年にアメリカにて合成され、当初は溶媒として使用されていた。 1963 年 H.Meunier がウサギに誘発させたペンテトラゾール痙攣をバルプロ酸が抑制することを見出して以来、抗てんかん薬としての研究が進められ、1967 年にフランスで抗てんかん薬として承認された。

 本邦においては協和キリンが1967 年からバルプロ酸の開発に着手し、抗てんかん薬の各種薬理学的スクリーニングによって幅広い抗てんかんスペクトルを示すことが確認されたと同時に、臨床的にも各種てんかん(特に全般てんかん)に高い有効性が認められ、1974年に商品名デパケン錠、デパケンシロップの承認を得た。他方、バルプロ酸ナトリウムの普通(非徐放性)製剤は他の抗てんかん 薬と比較して血中濃度半減期が 8~15 時間と短く徐放性製剤の開発が望まれていた。デパケンR 錠 100・200(当時)はこのような臨床現場のニーズに応えるべく、協和キリンが製剤技術を駆使して開発したマトリックスタイプの徐放性製剤であり、1990 年に承認を得た。

バルプロ酸は全般性てんかんの第一選択薬である。また、てんかんにともなう性格行動障害(不機嫌・易怒性など)にも処方される。

バルプロ酸の向精神作用、特に急性躁病に対する有効性は1966 年にフランスで最初に報告され、その後もバルプロ酸の有用性を示す報告が相次いだ。1990年代には米国で二重盲検 比較試験が実施され、1995年にバルプロ酸は双極性障害(躁うつ病)の躁状態に対する治 療薬として FDAにより認可され、現在ではリチウムと並んで第一選択薬として広く用いら れている。

本邦においては比較試験が実施されていないが、バルプロ酸の躁病及び躁うつ病の躁状態に対する有用性は既に「医学薬学上公知」の事実と認められ、2002 年に追加適応された。

バルプロ酸の片頭痛発作の発症抑制における有効性は、1988 年に報告され、1992年にはプラセボ対照の二重盲検クロスオーバー試験において有用性が示された。その後、米国で二重 盲検比較試験が実施され、1996 年に片頭痛発作の発症抑制薬として FDA により認可された。現在では米国をはじめ、欧州各国においても片頭痛発作発症抑制の第一選択薬として広く用いられている。

本邦において比較試験は実施されていないが、2010 年 10 月に「医療上 の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において評価された結果、バルプロ酸の片頭痛発作発症抑制における有用性は既に「医学薬学上公知」の事実であり公知申請に該当すると評価され、2010 年 10 月 29 日に「薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会」の事前評価が 終了し、同日付で保険適用が認められた。

バルプロ酸は中枢神経に作用し、脳内のGABA濃度を上昇させ、てんかんの発作を抑える。GABA神経伝達促進作用により、てんかんに伴う気分の不安定を改善し、抑えがたい興奮や行動を抑制し、片頭痛発作の発症を抑える。

バルプロ酸の略字はVPAである。

バルプロ酸(商品名 デパケン)

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