NRIはADHD治療薬である。正式名称はnoradrenaline reuptake inhibitor、日本語名は選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害薬である。
NRIはノルアドレナリンの再取り込みを阻害し、シナプス間隙(神経のつなぎ目)のドパミンやノルアドレナリンの量を増やすことによって、ADHDの臨床症状(不注意・多動性・衝動性など)を改善させると考えられている。
本邦ではアトモキセチン(商品名 ストラテラ)が販売されている。
主な副作用は食欲減退・悪心・嘔吐・下痢・頭痛・傾眠・めまい・不眠症などである。
ドパミン刺激薬に比べて効果は弱いが、依存性が少ないため、登録が不要で、普通の心療内科・精神科で処方可能である。
余談であるが、NRIとよく似た名称の薬物にSSRI、SNRIがある。SSRIは選択的セロトニン再取り込み阻害薬、SNRIはセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬を指す。SSRI、SNRIはともに抗うつ薬である。
SSRIに倣うと、NRIはSNRIとすべきであるが、すでにSNRIが使用されているため、NRIと呼称している感がある。
アトモキセチン(商品名 ストラテラ)