オレキシンは脳の視床下部で産生される神経伝達物質で、脳内のオレキシン受容体に結合することによって、睡眠・覚醒の体内リズムや食欲などを調節している。
オレキシン受容体拮抗薬はオレキシン受容体に結合してその作用を阻害することによって睡眠を改善する不眠症の治療薬である。
オレキシン受容体拮抗薬はベンゾジアゼピン系睡眠薬、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬にくらべて、依存性、耐性、反跳性不眠などの副作用が少ない半面、食事直後の服用は入眠効果が遅れることや悪夢・多夢・眠気などの短所がある。
本邦ではレンボレキサント(商品名デエビゴ)、スボレキサント(ベルソムラ)の2剤が販売されている。
ちなみに柳沢正史博士が1998年にオレキシンを発見した。